【歯科医師解説】詰め物・被せ物で後悔しない！「再治療の繰り返し」を断ち切るために
おはようございます、栗林歯科医院丸の内 歯科医師の山﨑です。
皆さんは歯医者さんで歯を削る治療を受けたことがありますか？
「詰め物」「被せ物」「差し歯」など、聞いたことはあるけど実際にどんなものかわからない、自分はどんな治療をやってもらったのかはっきりわからない・・・
そんな疑問を解決できたら幸いです。
「どこまで削って補うか」で分ける４つの治療形態
１：コンポジットレジン（詰め物）：小さな虫歯を即日で治す
「コンポジットレジン（CR）修復」とは、プラスチックのような樹脂素材を虫歯で削った部分に直接詰めて、光で固める治療法です。
2：インレー（詰め物）：治療する範囲が中程度の場合の選択肢
インレー（詰め物）は、CR修復では対応しきれない中程度の虫歯に対して、型を取って作製し、後日装着する治療法です。
3：クラウン（被せ物）：歯を広範囲に保護する治療
クラウン（被せ物）は、歯の大部分を失った場合に、歯全体を覆って保護し、噛む機能を回復させる治療です。
４：コア（差し歯）：神経を抜いた歯の治療
神経の治療後の歯に対して、歯の根っこに土台（コア）を立ててからクラウンを被せる治療です。
知っておきたい「再治療の繰り返し（Repeated Restoration Cycle）」のリスク
「治療を終えて安心したのに、数年後にまた同じ歯が虫歯になってしまった…」という経験はありませんか？
この現象は、歯科医療において「再治療の繰り返し（Repeated Restoration Cycle）」と呼ばれています。
🌀 再治療のサイクルが「歯を失う道」につながる
歯の治療は、削る量が少ないCR修復（詰め物）から始まり、再発するたびに削る範囲が大きくなり、インレー（詰め物）からクラウン（被せ物）へと移行していきます。
再治療を繰り返すたびに、「自分の天然の歯」がどんどん失われ、人工物に置き換わってしまうのです。
💖 今回は「最後のチャンス」という意識を
皆様にお伝えしたいのは、「自分の歯にまさる材料は、この世に存在しない」ということです。
人工の修復物は、どんなに精密に作っても、天然の歯が持つ本来の性質には敵いません。だからこそ、「削る治療をしなくていいように歯を守ること」が一番大切です。そして、治療が必要になった時には、「今回の治療が、この歯にとって最後の修復になるように」という強い思いで、精密治療に取り組んでいます。
このサイクルを断ち切るために、患者様にしていただきたいこと。 それは、
- 最も精度の高い治療を選択すること（精密な修復物で再発リスクを下げる）
- プロによる定期的な来院（メンテナンス）
- ご自身による徹底したセルフケア
この三つが揃って初めて、「自分の歯を失わない未来」を手に入れることができます。私たちは、そのためのサポートを全力で行います。
迷える患者様へ。まずはお口の中の状態を知ることから
「自分の口の中の状態がよく分からない」「どの治療を選べば良いか迷ってしまう」という不安は、当然のことだと思います。なぜなら、ご自身の口の中のことは、自分では見えないからです。
🏥 「わからない」で済ませるのはもったいない
「わからない」からと言って、大切なご自身の歯をどんどん失っていくのは、歯を守る仕事をしている身としては非常に悲しいことに思います。目や手足といった身体の器官を失うことを想像してみてください。歯もまた、生涯にわたる健康と、食事の喜びを支える、かけがえのない大切な器官です。
私たちは、患者様が「自分のことを自分で知る」ことができるよう、全力でサポートいたします。
- 見える化による情報共有： 当院では、マイクロスコープや拡大ルーペで治療箇所をよく観察し、その写真や動画を患者様と共有します。
- 「自分ごと」として捉えるサポート： 患者様ご自身が、ご自身の口の中の状態を正確に理解するきっかけを作ることから始めます。
👀マイクロスコープ、歯科用ルーペで見えている世界についての記事はこちら
私たちは、あなたの未来の健康を一緒に考え、本当に最適な治療を一緒に選びたいと考えています。不安なこと、疑問に思うことがあれば、どうぞお気軽に相談にいらしてください。私たちは、あなたの「自分の歯を失わない未来」を一緒に築いていきます。
栗林歯科医院 丸の内院でもご相談を承っております。
論文知識の豊富なドクターや歯周病認定衛生士が在籍しております。
https://www.kuribayashi-dc-tokyo.com/
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