歯科衛生士が解説!大人になるほど増える「根面むし歯」の正体と予防法

濱﨑 あゆみ(歯科衛生士)

根面むし歯(大人むし歯)ってどんなむし歯?

「むし歯は子どもの病気」と思っていませんか?実は大人になるほど増えてくるむし歯があるのです。それが「根面むし歯」、別名「大人むし歯」と呼ばれるものです。

子どものころは歯の表面(エナメル質)にできるむし歯がほとんどですが、大人になると歯ぐきが少しずつ下がり、本来隠れていた歯の根元が露出してきます。この根元の部分はエナメル質に比べてとても柔らかく、むし歯になりやすいのです。

つまり根面むし歯は、年齢を重ねて歯ぐきが下がった大人にこそ起こりやすいむし歯なのです。

なぜ大人になると根面むし歯が増えるの?

根面むし歯が増える大きな原因は「歯ぐきの退縮」です。生まれつき歯ぐきが薄い方もいますし、歯周病が進行することで歯ぐきが下がってしまうこともあります。

もう一つの原因は「唾液の減少」です。お薬の副作用で口が乾きやすくなる方、シェーグレン症候群という自己免疫疾患をお持ちの方、頭や首の放射線治療を受けた方などは、唾液が大幅に減ってしまいます。

唾液には歯を守る成分がたくさん含まれているため、唾液が減ると歯の根元がむし歯菌に攻撃されやすくなるのです。

根面むし歯ができやすい人の特徴

根面むし歯ができやすい方にはいくつかの共通点があります。まず、歯周病の治療歴がある方や、歯ぐきが痩せてきたと感じる方は要注意です。

また、高血圧や花粉症などで日常的にお薬を服用している方も、唾液が減少しやすいため根面むし歯のリスクが高まります。口が乾く、よく水を飲みたくなるという自覚がある方は特に注意が必要です。

気づきにくい!根面むし歯の怖さ

根面むし歯の最大の怖さは「進行がとても早い」ことです。歯の根元はエナメル質に覆われていないため、むし歯菌が一度入り込むとあっという間に深く進んでしまいます。

しかも根面むし歯は歯ぐきの際にできるため、鏡で見ても気づきにくいのが特徴です。痛みを感じたときにはすでに神経まで達していたり、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。

「気づいたときには手遅れ」にならないよう、日頃から予防を意識することが大切です。

今日からできる根面むし歯の予防法

根面むし歯の予防には「フッ素」の力がとても重要です。毎日の歯磨きにはフッ素入りの歯磨き粉を使いましょう。日本で市販されているものでは1450ppm配合のものが最も高濃度です。

磨いた後のうがいは少なめにするのがポイントです。何度もすすいでしまうと、せっかくのフッ素が流れてしまいます。コップに少量の水で軽く1回すすぐ程度がおすすめです。

さらに効果を高めたい方は、フッ素入りの洗口液を歯磨き粉と併用するのも良い方法です。就寝前に使うと、寝ている間も歯を守ってくれます。

ちなみに海外では5000ppmという高濃度フッ素の歯磨き粉が根面むし歯予防に効果的と認められています。日本ではまだ認可されていませんが、今後の承認が期待されています。


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執筆者:濱﨑あゆみ

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